この物語は、登場人物の名前や職業などを変えていますが、実話に基づいています。
案例为真实事件,出场人物的名字或职业等为虚构。
PART 6
「尊敬」という言葉を聞いたときに、ギクッとした。栄子は、日ごろから夫のことを、どこか軽蔑しているところがあったからだ。
听到“尊重”这个词时,荣子震惊了。因为荣子平时有些地方很鄙视老公。
栄子から見て、楽観的な性格の夫は、「思慮の浅い人」に見えた。また、「教養のない人」にも見えた。
在荣子看来,生性乐观的老公,看起来是个“没心没肺的人”。也是个“没文化的人”。
栄子は四年制の大学を卒業しているが、夫は高卒である。また、それだけではなく、夫は言葉ががさつで、本も週刊誌くらいしか読まない。読書が趣味の栄子としては、優太に、「夫のようになってほしくない」という思いがあったのだ。
荣子是四年大学本科毕业,而老公是高中毕业。不仅如此,老公言语粗俗,只看书或者周刊杂志。而喜欢阅读的荣子,有不想让优太“变成老公那样”的想法。
栄子は、そのことも矢口氏に話した。
荣子把这些也对矢口先生说了。
「『人間の価値は、教養や知識や思慮深さで決まる』という考えをおもちですか?」
“您有这样的观点吗?‘人的价值是由文化、知识和思虑周全来决定的’”
「いえ、けっしてそんなふうには思いません。人それぞれ強みや持ち味があると思います」
“没有,我绝没那样想过。我觉得人各有各的优势和特征。”
「では、なぜご主人に対して、『教養がない』ことを理由に軽蔑してしまうのでしょうね」
“那您为什么以‘没有文化’为理由而鄙视您丈夫呢?”
「私の中に矛盾がありますね」
“我自己矛盾”
「ご主人との関係は、どうなんですか?」
“您和您丈夫的关系如何呢?”
「主人の言動には、よく腹が立ちます。喧嘩になることもあります」
“我对老公的言行举止总是很生气。有时候会吵架。”
「優太君の件で、ご主人とはどうですか?」
“优太的事情,您觉得您丈夫如何呢?”
「私は優太がいじめられていることについて、いつもグチっぽく主人に言っています。ただ、主人の意見やアドバイスは受け入れられないので、主人にちゃんと相談したことはありません。おそらく、私にとって主人は、一番受け入れられないタイプなんだと思います」
“我对优太被欺负的事,平时跟老公抱怨过。但是,我不接受老公的意见和建议,所以没有好好和老公谈过。可能对于我来说,老公是***让我无法接受的类型。”
「なるほど。もう一つ根本的な原因があるのかもしれません。だとしたら、ご主人を受け入れるより先に、そっちに取り組む必要があります」
“原来如此。也许有一个根本的原因。那么比起先接受您丈夫,我们需要找出根本原因。”